労働基準法20条(解雇予告義務)に違反した場合の法的効果は、解雇自体が当然に無効になるわけではありませんが、刑事罰や金銭的ペナルティ(付加金)が発生する可能
・・・(続きはこちら) 労働基準法20条(解雇予告義務)に違反した場合の法的効果は、解雇自体が当然に無効になるわけではありませんが、刑事罰や金銭的ペナルティ(付加金)が発生する可能性があるという点も理解しておく必要があります。
1 解雇の効力
最高裁昭和35年3月11日判決は、「即時解雇としては効力を生じないが、使用者が即時解雇を固執する趣旨でない限り、通知後同条所定の30日の期間を経過するか、または通知の後に同条所定の予告手当の支払をしたときは、そのいずれかのときから解雇の効力を生ずる」と判示しています。
最高裁の考え方によれば、予告も予告手当の支払いもない解雇は、即時解雇としては無効であり、解雇通知後、30日を経過するか、または通知後に不足日数の予告手当を支払った時点で、解雇の効力が発生することになることから、解雇通知から30日間は労働契約が存続していることになります。
実務上は、「即時解雇を固執」したといえるのはどのような場合か、解雇通知後の使用者の言動によって解雇の効力が変動しうる点にあいまいさが残ります。
なお、期間が経過して解雇予告の要件を満たしても、労働契約法16条の「客観的に合理的な理由」および「社会通念上の相当性」を欠く場合は、解雇は当然のことながら無効です。
2 付加金(民事上のペナルティ)
労働者が解雇予告手当を求めて訴訟提起した場合、裁判所は使用者に対し、未払額と同額の付加金の支払いを命じることができるとされています(労基法114条)。
付加金の支払いを命じるかどうか、またその金額は、使用者の違反の悪質性などを考慮した裁判所の裁量によります。
3 罰則(刑事上の効果)
労基法20条違反には、6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が規定されています(労基法119条1号)。
違反行為を行った労務担当者(行為者)だけでなく、法人(会社)も罰金刑の対象となることが定められています(労基法121条)。
実務上、労働基準監督署による是正勧告が先行し、是正勧告に従わない場合や、悪質な場合に送検されるようです。
4 弁護士の方針
労働者側の場合には、解雇無効(地位確認)をメインに争うのかをまず検討することが重要であり、使用者側の場合には、解雇自体の有効性や、予告手当の支払等を検討することが多いと考えられます。