1 税理士法人が法人設立時および原則としてその後も2人以上の税理士(社員)を必須としているのは、他の国家資格・士業の法人制度と比較して、整合的ではなく、その実
・・・(続きはこちら)1 税理士法人が法人設立時および原則としてその後も2人以上の税理士(社員)を必須としているのは、他の国家資格・士業の法人制度と比較して、整合的ではなく、その実質的理由は何かが気になるところです。
2 税理士法において、税理士法人は2人以上の税理士(社員)が共同して設立しなければなりません(税理士法第48条の18②)。
なお社員が1人になったら即座に解散することになるのではなく、社員が1人となり、その日から6か月を経過してもなお2人以上にならないときは、解散しなければならない旨規定されています。このことは、6か月間は、税理士法が、「一人法人」を法的に許容しており、税理士2人を強制する論理ないし意義は徹底されていません。
業務の性質上二人以上の税理士による相互チェックが重要という観点は、例えば、多くある一人個人税理士事務所の存在を否定することにならないか、相互チェックを担保する制度が存在ないこと、役員税理士ではなく所属税理士との相互チェックも可能であろうことから、決定的ではないように思われます。
3 司法書士法人や弁護士法人、行政書士法人等は、1人で設立が可能です(司法書士法第29条など)。
税理士と同様、高度な専門知識を持つ個人(国家資格者)が中心となる職務であるところ、弁護士法人は弁護士法人が弁護士法上認められた当時から、「一人法人」が認められています。
司法書士については、令和元年(2019年)6月の「司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律」により(令和2年(2020年)8月1日に施行)、社員が1人でも法人の設立が可能になり、小規模事務所の法人化が進み、業務の継続性や専門性が高まることが期待されています。
ほかに、司法書士の役割をより明確にするため、目的規定が「使命規定」へと変更され、除斥期間の設定など、懲戒に関する規定が整理されました。
4 公認会計士法に基づく監査法人に5人以上必要とされているのは、上場企業などの大規模な監査を想定しており、複数人による相互チェックが不可欠ということが理由とされているようです。
一人法人を認めるべきかについて、税理士を弁護士、司法書士などに近い存在と位置付けるか、公認会計士に近い存在と位置付けるべきかという観点は、議論を深めるための視点となりうるかもしれません。